判例紹介:成人に達した子から父に対する扶養料の請求が認められた事例(福岡高決令和元年9月2日家庭の法と裁判39号54頁)
本件は、成人年齢に達した子からの扶養料請求を認めた判例です。非親権者からの養育費は通常成人年齢に達し月又は大学卒業した月までとされていますが、何らかの事情によって大学卒業が遅れた場合には扶養料の請求という選択肢があります。
不貞慰謝料請求が認められない場合
不貞慰謝料請求が認められない例外的な場合として「婚姻関係の破綻」があります。夫婦関係が修復できないまで壊れているという意味です。しかし、どのような場合に婚姻関係の破綻が認められるのかは難しい問題です。別居や離婚の意思表明はそれだけで絶対的な理由とはなりません。不貞慰謝料が認められない婚姻関係の破綻について、裁判例を交えて弁護士が詳しく解説します。
部活動に参加する義務はあるか?
中学校では部活動が事実上強制されている学校も少なくありません。しかし、部活動の法的な位置づけを検討すると、そのような扱いは全くおかしいことが分かります。部活動の法的な位置づけを前提に、学校教育における部活動の在り方を見直す必要があるでしょう。
令和4年4月1日から施行される改正法(パワハラ防止法と成年年齢引下げ)
令和4年4月1日から様々な改正法が施行されます。そのなかでも注目すべきはパワハラ防止法と成年年齢引下げでしょう。パワハラ防止法は多くの中小企業にとって影響のある法律です。また成年年齢引下げは新たな消費者被害のリスクが予想されます。この機会に理解を深めましょう。
判例紹介:負担付遺言の取消しが認められなかった事例(仙台高裁令和2年6月11日判タ1492号110頁)
事案の概要 被相続人Aは,公正証書遺言により,一切の財産を長男であるYに相続させるとともに,この相続の負担としてYがAの二男であるXの請求を援助するものと定めた負担付遺言を行った。 Aは,その生前,生活費の援助として,X […]
交通事故物損被害に関する裁判例まとめ
交通事故の物損に関する裁判例をまとめました。物損事件は被害額が少ないことから,裁判にまで発展するケースは稀ですが,修理費用や買替諸費用など,実務上は複雑な問題が多数潜んでいます。浜松市で交通事故に関して弁護士をお探しの方はゆりの木通り法律事務所にご相談ください。
判例紹介:複数の私的筆跡鑑定の信用性を分析するなどして自筆証書遺言を無効とした事例(仙台高判令和3年1月13日判タ1491号68頁)
事案の概要 本件は,原告のXらが,被相続人A名義で作成された平成14年12月20日付け自筆証書遺言(以下「本件遺言」という。)による遺言書(以下「本件遺言書」という。)が偽造されたものであると主張して,共同相続人であった […]
判例紹介:相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」にあたらないとした事例(最判平成29年1月31日判時1669号1頁)
事例の概要 被上告人X1は亡Aの長女であり,被上告人X2はAの二女である。上告人Yは,平成23年に,Aの長男であるBとその妻であるCとの間の長男として出生した者である。Aの妻は,平成24年3月に死亡している。 Aは,平 […]
意思能力に関する法律問題
意思能力とは何か? 近代民法は,個人が自由な意思に基づき自らの私的生活関係について決定することができ,国家は個人が下した決定を尊重するという「私的自治の原則」を基本原理のひとつとして捉えています。そして,私的自治の原則の […]