労働問題のご相談は弁護士に

 企業において,ひとりの労働者の存在は弱く小さいものです。しかし,そんな労働者の権利を守るために,多数の労働関係法規が存在します。仕事をする上で会社の対応に疑問があれば,労働関係法規を確かめてみるのは有益です。

 一方,使用者側から見れば,労働関係法規にしたがって労働環境を整備することは,労働問題のリスクを未然に防ぐという意味があります。そのため,使用者側にこそ,労働関係法規を十分に理解し,労働問題に対して真剣に取り組むべき理由があるということができます。

 労働者であっても,使用者であっても,労働問題に関してのお悩みがありましたら,お気軽に弁護士までご相談ください。

労働問題は弁護士にお任せ

割増賃金(残業代)請求

 使用者が,法定労働時間外,法定休日または深夜(午後10時から午前5時まで)に労働させた場合には,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算が国いうっていの割増率を乗じた割増賃金を支払う必要があります(労働基準法37条)。

 また,所定労働時間を超えてはいるものの,法定労働時間の範囲内の残業(法内残業)の場合には,上記の割増賃金は発生しないものの,通常の時間の賃金を支払わなければなりません。もちろん,法内残業であっても,就業規則等に割増賃金を支払うという規定がある場合には,それに沿った賃金を支払う必要があります。

 未払の残業代等がある労働者の方は,使用者に対して労働審判や訴訟を申立て,それらを請求できる可能性があります。未払の残業債を請求するためには残業の事実を証拠として残しておく必要があります。例えば,会社のタイムカードのコピーを取ったり,タイムカード自体が実際の労働時間を反映していない場合には画像や動画付きの日記を残しておくなどの方法が考えられます。

 もっとも,退職手当を除く賃金の請求権の消滅時効は2年です(労働基準法115条,なお法改正により令和4年4月1日から消滅時効が3年間に変更されます)。時効の起算点は各賃金の支払期日ですから,2年前から未払いの割増賃金等が存在する場合,毎給料日ごとに割増賃金等が時効によって消滅していることになります。

不当解雇を争う

 解雇とは,使用者による一方的な労働契約の解約です。解雇には,懲戒処分としての「懲戒解雇」と,労働契約の中途解約としての「普通解雇」とに分けられます。また,普通解雇のなかには,経営上の理由で労働者を解雇する「整理解雇」があります。

 解雇は,「客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合」は,使用者がその権利を濫用したものとして,無効とされています(労働契約法16条)。この解雇濫用の法理は非常に厳格で,使用者による突然の解雇は殆どの場合許されていないと考えてよいでしょう。

 解雇が不当であると感じている労働者は,労働審判や訴訟によって,不当解雇に対する慰謝料や,解雇された以降の賃金を未払賃金として請求できる可能性があります。

パワハラ問題

 パワー・ハラスメントとは,「同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に,業務の適正な範囲を超えて,精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」のことです。

 具体的には,①身体的な攻撃,②精神的な攻撃,③人間関係からの切り離し,④能力や経験から遂行不可能な業務指示,⑤能力や経験とかけ離れた程度の低い業務指示,⑥プライバシーの侵害などがあげられます。これらは,刑事上の犯罪であるものから,民事上の不法行為にも該当しないマナー違反に過ぎないものまで,多種多様な行為が含まれています。

 それでは,パワハラを受けた場合,どのような対抗手段があるでしょうか。まず,パワハラの証拠を確保することが重要です。写真,動画,録音,メール履歴,ラインのトーク履歴など,客観的にパワハラの事実が明らかになるような証拠を集めることが重要です。

 その後,職場の専門への相談(会社側としては,パワハラの相談がなされた場合,ただちに事実を調査し,加害者への指導や処分等の処置をとる義務があります。),警察への相談(パワハラが,傷害罪,暴行罪,名誉棄損罪,又は侮辱罪などに該当する場合),弁護士などの専門家への相談などが考えられます。会社は,労働者へのパワハラが違法と判断された場合,慰謝料や治療費等の損害賠償責任を負う可能性があります。

>>パワーハラスメントについてもっと詳しく知りたい

セクハラ問題

 セクシャル・ハラスメントとは,一般的に,「職場における相手方の意に反する性的な言動による嫌がらせ」のことをいいます。ただし,その問題を扱う場面によっては,それぞれセクハラの定義が異なる場合があるので注意が必要です。

 例えば,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律では,使用者にセクシャル・ハラスメントを防止する措置が義務付けられていますが,その定義は①職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者が解雇,降格,減給等の不利益を受けること,および②諸場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業菅家陽が不快なものとなったため,能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいうとされています。

 もし,セクハラの被害にあってしまった場合,パワハラの場合と同様に,まずは証拠の確保を考えましょう。録音,動画,メール履歴,ラインとトーク履歴などが有効です。次に,それらの証拠とともに職場の窓口へ相談し,当該行為を止めさせて将来的な予防措置を求めることになります。

 会社が積極的に動かない場合には,行政機関や弁護士へ相談をすべきです。当該セクハラが違法性を有するものであれば,会社や加害者に対して慰謝料等の損害賠償を求めることも考えられます。

労働問題の解決方法

 現在,静岡地方裁判所浜松支部では,全国でも数少ない地裁支部による労働審判を行なっています。労働審判とは,裁判官1人と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する審判員2人で組織された労働審判委員会が,個別労働紛争を,原則として3回以内の期日で審理し,調停による解決を目指す紛争解決手続です。

 調停による解決に至らない場合には,事案の実情に応じた柔軟な解決を図るための審判が行われます。訴訟より簡易・迅速に紛争の解決が図れることから,労働者にとっても使用者にとっても非常に利便性の高い手続ということができます。

 浜松市又はその近隣市町で労働問題にお困りの方は,お気軽に当事務所までご相談ください。労働審判により迅速な解決ができるかもしれません。

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